ノウハウ

人材基盤育成の方法 ~20年間、学校教員を育ててきたから分かること~

“準備教育は受けてきた”

だけど、現場によって考え方や求められるミッション・スキルは異なるのだから、そこに適応することが必要になる――さあ、そこで、問題です。
現場の仲間たちと、本音で、気持ちよくコミュニケーション取れていますか?
気疲れしたり、充実感に繋がらないといったことはありませんか?
そういった職場での不満や不安、しんどさは、スキル不足が原因だとして、多くの職場の管理者は、社員に対して、色々な社員研修、社員教育として用意されています。
多くは以下のようなものです。

❖コミュニケーション能力   ❖対人スキル   ❖情報整理力   ❖問題解決能力
❖自分への自信   ❖適応力   ❖人間性向上   ❖職業倫理  ❖リーダーシップ

しかし、これらの教育を受けたから、業務成績が上がって、自信が持てるようになり、不満や不安、しんどさを克服することが出来たかというと――、多くの人が、解決は出来ていないのが現状のようなのです。
そこで・・・、
平成世代も、昭和世代も、2000年以降生まれのZ世代も、同じ脳組織と、同じ認知、認識の入手方法、構築の方法を持つ人間として、共通した、成功者になる秘訣のようなものがあります。それらの中から、社会人として成功するための方法をここで解説しておこうと思います。

1.スキルアップとは

大学全入時代を迎え、我が国の若者の多くは大学進学準備学習を経験してきています。
それは、難解な技術であっても身に付ける――あたかも苦行のような解答作成訓練に耐え、大量の情報を暗記し、得意不得意に関係なく、抜粋された一部分だけの試験の成績で、人生を左右するような厳密な評価を付与され、それがあたかも自分という人間すべての価値ででもあるかのような受験戦争下における、名札のように利用されていく――という、人間本来の価値を高める教育訓練とは少し異なる視点に重きを置かれた社会で育ってきているということです。
しかし、その評価方法が正しいかどうかは別として、そんな苦労の中を絶えて歩み抜いてきたというだけでも、知らず知らず身に付いていく学習能力と、その基盤となる知識、忍耐力、学びを通して得られる達成感などは、多かれ少なかれ、全員が経験してきたと言っても過言ではないだろうというのが、この高度な学歴社会日本の社会通念ではないでしょうか。
実際、全国、どの大学においても、平成以降の大学生は、とても勤勉だ、素直に努力する、という声を職員の皆さんから聞いて参りましたし、実際、授業をさせて頂いても、それを実感する機会は、とても多かったのです。
一方、それだから、社会に出てから求められる、多様で厳しい能力が身に付いているかというと、そうとも限らないから、『現場が合わなかった』 『期待と違った』 『職場の人間関係に耐えられなかった』 等の感想を抱きつつ離職していく就職後4年以内の離職者が後を絶たず、実質離職率は一向に低下しないのではないでしょうか。

そこで、高校や大学の新卒者に求められる、スキルアップとはどのようなものなのでしょうか。
それを知るために、そもそも学校教育で経験する学力評価と、社会で経験する職能評価には、どのような差異があるのか、比較してみましょう。

<学校での学力評価と現状>

教科書に対しては、個々の児童・生徒が興味・関心を抱くとは限らない――、時には、それ以上に興味があり知りたいと思っていることで頭がいっぱいになっていたり、時には、友人から「空気読めないヤツ」とレッテルを貼られてどうしよう、と悩んでいたり、或いは、家庭内でもめ事があって、不安で仕方なかったり――。そういう状況で自分が興味を抱けないことなのに、理解し、訓練され習得するよう命じられ、毎日毎日、「これの次はこれ」「はい次はこれ」と提示され強要される。しかも、そのすべてではなく、一部だけが出題される定期テストでチェックされ、その結果が全てであるかのように、〇(マル)の量に応じて、褒められたり叱られたり、時にはその結果を知った周囲から見下されたり馬鹿にされたり、更にはそのような評価が自分の所属する集団の中での自分への評価や風評となって周囲の自分への見方や態度が変わる・・・、といった経験を、何年も続けたり繰り返さなければならないとすると、そういう場に、あなたは笑顔で居続けることができるでしょうか。果たして、そこを自分の居るべき場所だと感じられるでしょうか――。
そこがしんどい辛い、できれば居たくない場所なのに、そこが、子どもの居るべき場所=学校だから、居場所としなければならず、そこで自己肯定感を育めている態度を取らなければならないとすれば、いつしか、人は仮面を被るようになっていき、本音ではなく建前としての生き方を学び、仮面を被ろうとするようになる――ということに、気づけないほど、日本の教育者は視野が狭いでしょうか。いいえ、多くの教育者が、その真実の姿に気づいていますし、改善するべき点にも気づいています。 だから学校教育も『人物力重視の教育』へと変わろうとしているのです。
これと同様に、職場も変わりつつあると思います。

<社会での職能評価>

通常、どの企業にも、社員に求めるスキルというものがあります。
これは、自社の職務を、どのように遂行して欲しいか――、どのように目的を達成して欲しいか――言い換えれば、どうすれば、職務を遂行し目的を達成できるか、という一定のスキル基準を、どの企業も持っている、ということを意味します。
 企業とは、ある目的を遂行することで、そこに携わる者が生きていけるように、収益を上げ、それによって、継続的に社会に貢献するミッションを遂行していく――という存在です。したがって、学校のように、不要な知識、使うことの無さそうな知識や技術を習得することを求めることはありません。その企業や商店が、どのような活動を通して社会に貢献しているか、それを遂行するために必要とされる能力には何があるか、が、全てです。
その事業活動を推進することに寄与し、より円滑に、或いはより高度に推進して行ける人物、或いは、そういう仕組みが円滑に回るように護ったり支援する部署で縁の下の力持ちとなる人物が、職能の高い人物だと評価されます。
 これは、物であれ、売り上げであれ、人間関係であれ、効率であれ、それら、事業活動のあらゆる要因に関する成果によって評価されるため、労働者相互にも、明白に評価を共感し得るものになります。これが、職能(スキル)と評価の関係です。

2.スキルアップの条件と方法

しかし、現状、様々な事業者さんの抱えている問題は、この学校教育で受けてきた教育訓練と事業所内で求められるスキルとの間に大きな隔たりがあり、職場で求められるスキルが『低すぎる』、『教えても円滑に習得されない』、『鍛え方が分からない』といった問題から、様々な厳しい問題状況を生み出してしまい、解決し辛い状況にまで発展してしまっているようなのです。
これは、とても理不尽な話です。
なぜなら、『目的に応じて達成手段を教育し訓練するために学校があり、それ故に、様々な場面を通して用可能な思考基準、判断基準、解決策が修得される――或いは、その解決に向けて独自に道を開いていけるよ能力を習得させるべく、支援している』はずだからです。 
つまり、スキルアップの条件として、次のことが分かります。

☆1☆ 自分に与えられたミッションや、自主的にやると決めたミッションを把握し理解すること
ができるスキルを高めること
☆2☆ そのスキルアップの方法を実施した結果、スキルアップの成果が出ること

このミッションを把握し、理解するためのスキルは、実は、価値観や認識、情報収集や情報理解の経験の多寡までが影響します。したがって、職場・職域ごとの極めて緻密に分岐したCurationSkillトレーニングが必要です。 Curation Skillとは、情報収集・組み換え・解析・価値情報の抽出・情報再構成・アウトプットといった一連の能力になります。

この「Curation Skill」を訓練できる点が、弊社の強みです。

一方、スキルアップに取り組んでいるつもりでも成果が出ない人がいます。
それは、「何となくこんな感じでいいかな」と、感覚的な印象だけで取り組む人です。
スペシャリストの言う『何となく~』と、初心者が使う『何となく~』は、正反対と言ってもいいほどの隔たりがあります。
スペシャリストの言う『何となく~』には、細かい点を気にすると、せっかく時間をかけて修得した直観が発動されず、高いスキルが活かされない――という意味です。
これに対して、初心者の使う『何となく~』は、言葉にするほど理解できていない曖昧な要因が多数あるから、言葉を濁して『何となく~』と言っているに過ぎません。これは、曖昧な情報に満たされ、何をどうすればいいかを明確に言葉にできない――つまり、自身の破断・行動を修正する必要があっても、どこをどうすれば良いか判断できないということを意味しています。

思考に関する学問の世界で『曖昧領域』と呼ばれるものがあります。
これは、疑問を解明していくプロセスで、自問自答に窮してしまい、曖昧に分かったつもりで次へ進むことがあるという事態を捉えます。人間は、「分かった」こと=自分の言葉で解説できることとして処理しますが、実は解説できない状態なのに「分かった」領域に入れてしまうことで生じる世界を曖昧領域と呼び、これは、「分かった」領域にあるため、再び疑問をなげかけて情報収集し、自問自答の分析吟味を行うことが無く、永久に、『本当の意味では分かっていないもの』として閉じ込められてしまう、ということなのです。だから、決して、曖昧に分かったと思ってはならない、とするのです。必ず、それでは説明して、本当に理解しているか、確認してみよう、という作業が必要なのです。

何となく~の感覚で、成功するほど、仕事は、簡単・単純なものでは無いからありません。
その姿勢は、無責任だと評価され、期待もされなくなっていくので、やがて、辞職を望むようになり、職を転々とするようになっていきます。

 それゆえ、自問自答のノウハウを習得することは、必須の教育テーマであり、スキルアップの基本なのです。

この自問自答から情報選択、アウトプット構築の一連のノウハウを『論理思考力トレーニング』と呼びますが、この訓練を大学で実施し、長い間高い成果を挙げてきたのが弊社です。

この『論理思考力トレーニング』ができる点も、弊社の強みです。